スタジオ宙

『設計のプロセス Design Process』 カテゴリーの記事

原寸で確認

— Examining the design by full scale —

P1000172_sm
現在進行中の現場の、最終デザインを事務所の廊下を使って検討中。
コンクリートの壁に透明のアクリルの棒を貫通させて、光が通る無数の穴を作る予定なのですが、その位置を入念に決めています。
図面上の確認だけでなく、実寸でデザインを検討し、大きさや位置などをリアルに確認することで、デザインの質が高まります。
でも、実物の検討は以外に楽しくって、笹井と郡と2人でこんなスナップショットを撮りたくなるほど楽しんでおります…

投稿者:Yuli Sasai |  工事の様子 Construction Site Diary, 日常風景 Diary, 設計のプロセス Design Process |  記事本文

光の螺旋に導かれ、神と人に出会う。礼拝堂の設計コンペに参加。

— We entered the competition for the Sanctuary. —

礼拝堂は影の中で光を感じる瞑想的な場、基督教文化センターは光あふれる解放的な場で、誰でも入りやすいプラン。3つの曲面は通行人や広場の人々を礼拝堂に誘い、外からでも神の気配を感じられる形です。影と光、静と動、対比する要素を建築で一体化することを考えました。

螺旋状に成長する円の遠心力で、2つの施設を有機的に結びつけ、世界に良心を発信する場となることを願って設計しました。

写真説明 左に見えているのは、提出間際に色鉛筆で色をぬっている遠藤さんの手。

 

「光の螺旋に導かれ、神と人に出会う。」

その煉瓦積みの壁に誘われて、
影の静けさに身を任せると
ゆっくりと瞳孔が開き、
光の気配が聞こえはじめる。

螺旋の隙間から入り込んだ光は、
曲面を柔らかく撫で、通り過ぎる。
その消えゆく光をたどる心は、
深い瞑想の時間に浸ってゆく。

三枚の壁は、基督教の三位一体と、
三つの教育理念、知・徳・体を表し、
それらは互いに支えあえながら、
一体となって礼拝堂を作る。

始まりが旅立ちを表し、
囲われることが解放につながり、
中心がありながら求心的でない、
そんな形を作りたいと思った。

この光のもとに人が集い、神に出会い、
希望を得て巣立ってほしいと願う。

投稿者:Yumi Kori |  日常風景 Diary, 設計のプロセス Design Process |  記事本文

周りの建物を測定して設計する。

—  —

オープンデスクの松本です。

今日は僕が模型をお手伝いさせていただいた物件について紹介します。

東京の大森にある3世帯住宅+カフェです。敷地は周りが隙間無く大小様々なアパートに囲ま

れています。このような状況では互いにベランダや窓の位置がとても重要になるということ

で、実際、現場に一人で行かせていただき、周りのアパートの配置や窓、ベランダの位置を計

りにいきました。上の模型写真(白: 設計している建物、茶:既存アパート)が敷地との関係です。

建築家はここまでやるんだなと感心し、自分もここまでこだわれる設計がしたいと思いまし

た。

模型も徐々に進んでいき、キャンティレバーを用いた動きのあるダイナミックな建築になりま

した。しかし、ファサードがなかなか決まらず、いろいろなパターン( 上の写真はその一部 )を

つくっては考え、つくっては考え、納得いくまでパターン出しをしました。

模型をはじめ、図面や現場など想像以上に多くのことを体験させていただき、教えていただい

たことを感謝しています。本当にありがとうございました。

投稿者:admin |  設計のプロセス Design Process |  記事本文

ぶどうの郷 障害者のための共同作業所を設計

— Budo no Sato project, Work place for mentally handicapped person, has started. —

精神障害者自立支援のための共同作業所の改装工事が先週、着工しました。 NPO「武蔵野の里」が運営する施設で「ぶどうの郷」という素敵な名前です。賃貸物件の改装工事なのであまり沢山の事はできませんが、みんなが使いやすい空間になるように設計しています。来年2月に竣工予定です。2階が作業所、1階が店舗になり、障害者の皆さんが作ったかわいい小物やクッキーなどが販売される予定です。

改装前のアトリエ風景。精神障害者の方が作ったかわいい小物など。

投稿者:Yumi Kori |  工事の様子 Construction Site Diary, 設計のプロセス Design Process |  記事本文

2世帯住宅の設計の難しさ、楽しさ

— 2 Family House Design Process —

二世帯住宅を設計する時は、普通の住宅とは全く違う頭を使う。2つの住まいをつなげることによって如何に楽しい空間を作り出すか、如何にそれぞれ独立したプライバシーを保つのか、そういった世帯間の関係を考えながら、建築というひとつの形にまとめあげる。当然のことながら、法的規制や予算をクリアし、安全や快適性を確保し、その土地の特性を生かし、それぞれの世帯の好みも反映させるという当たり前の設計条件を満たした上のことだ。…というわけで、2世帯住宅の設計をする時は、いつもにも増してかーっと知恵熱がでそうなほど脳を全回転させることになる。

その過程をくぐり抜けた二世帯住宅の設計が終了し、いよいよ着工することになりました。

大きな屋根の下2世帯が一緒に暮らす案、中庭を中心に回遊できる案、庭をはさんだ別棟案など、打ち合わせの段階で現れては消えていった様々なプラン。それぞれ設計の条件を満たしながら、2世帯の関係性が微妙に違っている。どの案もすべて知恵熱を出しながら考えた、楽しい仕掛けが盛り込まれた、とっても愛着のあるデザインばかり。模型を壊す前に、ここで一部お披露目をすることにします。

投稿者:Yumi Kori |  設計のプロセス Design Process |  記事本文

蔵のギャラリー クラシック1010、WIll帝塚山を訪れて

— 10 years maintenance, Old Kura Storehouse Gallery and connected Apartment Complex —

外観:竣工当時とかわらず綺麗に使っていただいていて感動。

スタジオ宙が2001年に設計したWIll帝塚山を久しぶりに訪ねました。これは、古い土蔵をギャラリーとして再生させながら、賃貸マンションと合体させて設計したユニークな建物です。2002年に、大阪都市景観建築賞受賞をいただきました。竣工から10年以上の月日が経ち、手直しが必要なところが出はじめ、施工したナカノフドー建設の岩尾さんといっしょに現地を見て回りました。

久しぶりにお邪魔し、建物の点検をさせていただいていると、入居されている方も、皆、素敵に住んでらしてまたまた感激!

3階のテラス付きの部屋:家具デザイナーの方の住まい。

全部自分でデザインしたすてきな家具で、おしゃれに住んでいただいていました。

メゾネットタイプ:カメラマンのSOHO住宅

1階を撮影スタジオと事務所、2階を住宅。SOHOとしてうまく使っていらっしゃいました。

蔵の風景が楽しめるマンションの中庭

中庭に面した各住戸のポーチ

中庭も手入れが行き届き、蔵のギャラリーもしっとりと風景に馴染み、ポーチもうまく使われていました。愛情を持って使っていただいている様子を見て、建築家冥利に尽き、本当に幸せな気持ちになりました。

ギャラリークラシック2階

オーナーの巽さんご夫婦(奥様は私と同じ京都府立大学卒業生)

オーナーの巽さんの経営される素敵な蔵のギャラリーは、大阪のタウン誌やテレビなどでも紹介され、大阪の名所になっています。Will 帝塚山の紹介ページはこちら。これから、建物が長持ちするよう、メンテナンスの計画をたてていきます。

投稿者:Yumi Kori |  設計のプロセス Design Process |  記事本文

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