スタジオ宙

『日常風景 Diary』 カテゴリーの記事

春到来 新しいプロジェクトが始まりました。

— A new project started. —


春の嵐が過ぎ、晴天に恵まれた井の頭公園には桜はまだ3分咲きだというのに、たくさんの人で賑わっていました。

そして、スタジオ宙ではまた新しいプロジェクト始まりました。

天井高が4メートルもある写真スタジオのある住宅の改装です。スタジオを活かし賃貸住宅として一般の人に貸せるようにしたい、ということが施主の要望です。

さて、一般向けの賃貸住宅とは…。

最近は、賃貸の住まいへの要望として、新築ということはあまり重用視されなくなってきているように思います。(震災以降、地震に強い住宅という意味では新築物件が人気かもしれないですが。)また、「デザイナーズ」というキーワードも、もはや時代遅れ…

ここ2〜3年で、いわゆる「訳あり」物件を集めた不動産サイトが一般向けに公開され話題を呼んでいます。それぞれの「訳あり物件」にうまいキャッチコピーをつけて興味を引きつけています。さすが、もと広告代理店勤務だった方が始めたプロジェクトだなと関心しているのですが、さらに「好きにDIY可能(つまり内装がボロボロだったり…)」「倉庫っぽい」「天井が高い」「オマケ付(内容はそれぞれ)」など、普通の賃貸住宅にはない、むしろ普通は賃貸では不利になるようなことを「売り」にしているのです。このようなサイトは私が知っているだけで東京圏のものが3つあり、それぞれの地方でも展開されているようです。それらは一般のメディアでも取り上げられていることもよく目にします。

つまり、最近では一般的にも、部屋という箱は何でも良く、自分の個性を活かせるような、楽しい生活のできる空間を求められているのではないでしょうか。何かが足りなくても自分が満足して過ごせる空間があればよいということなのだと思います。それは最近、シェアハウスが流行っていることでも分かるのですが、キッチンやお風呂、トイレが自分専用じゃなくても、シェア仲間との交流がある方が豊かに暮らせるという価値観になっているのだと思います。

今回、他では味わえない楽しい暮らしができる空間を作りたいです。ちょっとした遊びや驚きのある空間がある方がよいのではないかと思っています。

また、このプロジェクトの進捗状況はお知らせします。

投稿者:Yuli Sasai |  日常風景 Diary |  記事本文

設計の締め切りに追われながらクリスマス

— Merry Christmas! —


でも、郡が仕事の合間に即席で作ったローズマリー風味レモンチキンのクリスマスディナーのあと、みんなでクリスマスケーキを楽しみました。今日は徹夜にならないといいのだれど。。。クリスマスだというのに、みんなで仕事をしています。現在、新しく計画中のカフェと店舗、ギャラリーの複合施設の設計の締め切りです。(千葉県の佐原で、古民家、蔵、洋館を改修、再生してデザインしています。)

投稿者:Yumi Kori |  日常風景 Diary |  記事本文

患者が病院で見ている天井の風景 ビデオ

— Reconsidering Hospital Space through a Patient's View from the stretcher. —

12月3日に開催された「医療の安全に関する研究会」於:愛知県立大学の看護学科は、とても有意義な会でした。病院経営者、医師、看護師、薬剤師、患者など様々な立場で医療に関わる人々がみんなで安全な医療を実現するためにはどうしたらいいかを語り合いました。
午後には、『医療空間の再考』という題で郡裕美が講演をし、会場でビデオを映写しました。

昨年、郡がニューヨークで緊急入院したときに撮った病院の天井の画像です。患者が病院で見ている風景は、1.5メートル先に対峙する天井。蛍光灯をまともに見上げながら病院生活を送る患者の視点を追体験してみてください。(ビデオは1分少々です。)
ここは、米国でもいくつかの建築賞を受賞した有名病院です。外観やロビー空間などは高級ホテルのように豪華なのに、患者が日常的に使うところはおざなりで粗末な空間です。こんな天井の景色をみていたら、健康な人も病気になってしまいますね。
建築家として、真に患者の視点に立った快適な医療空間の実現の為に努力して行きたいと思います。

投稿者:Yumi Kori |  日常風景 Diary |  記事本文

長野県小布施町 まちづくり研究所シンポジウムに招待参加

— Yumi Kori was invited at Symposium by Machizukuri Institute at Obuse Historical Town Japan —

Home Page: Machizukuri Institute at Obuse Historical Town Japan

先日「東京理科大学・小布施町まちづくり研究所」シンポジウムが行われ、郡 裕美がゲストコメンテーターとして参加しました。長野駅から長野電鉄に乗り継いで20分。小布施は、昔ながらの町並みの残る美しい町でした。

タイトルは、『道、水路、そして家 ~世界に住まい、たがやす~』

会場では、小布施町の町長はじめ地元の方々、全国から駆けつけた研究者を前に、研究成果の発表、提案が次々とされ、すばらしいシンポジウムだった。たとえば、町の中心を走る国道403号の現状を調べ、民家の庭を取り込む形で緩やかに歩道を拡幅する提案。町を縦横無尽に流れる水路の昔の使われ方を調査し、町の思い出と奥行きを掘り起こす作業。それに関連して、伝統的な水車の仕組みを使った芋洗い器を設計。地元の建具屋さんとの協力で中学生と、水路で実演するワークショップを行い伝統を未来につなげていく試み。

また、現在は使われていない蚕室の設計に関する調査も大変おもしろかった。伝統的な蚕室はパッシブデザインの手法が駆使された建物で、私たち現代の設計者が学ぶべき多くの技術が隠されていると思った。また、住宅街の照明計画についての調査研究も、個人邸の設計に町並みを考慮した視点の必要を示唆する興味深い研究であった。

さらに、オーストリアや萩の伝統的建造物群保存地区での調査研究など、他の事例から学ぶという研究。特に、オーストリアでの事業の成功の影にある、建築設計者のプロジェクトの関わり方には納得させられた。日本でも、歴史的な町並みの修景や再生には、必ず建築設計者が関わるような仕組み作りができないものだろうか。

第2部では、佐久市、木曽町、佐久穂町など長野県の他地域の建築士会の人々が郷土の歴史や建物を紹介しながら、抱えている問題点について語り、みんなでそれについて討論した。昔ながらの旅館での風情VS便利さ、空家問題、伝統と町づくり、語れないほど盛りだくさんの問題提起がされた。

埋もれてしまっている伝統的な空間や暮らしの知恵を、調査研究で掘り起こし、現代の問題とすりあわせ、未来に向けての提案をする。大学と地域、研究と実践が、美しい形ではたらいている『東京理科大・小布施町づくり研究所』に心からエールを送りたいと思った。東京理科大の研究所の方々、所長の川向正人先生。またコメンテーターの古谷誠章先生、ジョージ国広先生、後藤和子先生、お疲れ様でした。

 

投稿者:Yumi Kori |  お知らせ News, 日常風景 Diary |  記事本文

リゾート住宅。非日常の日常を考える。

— Live like in Resort, MYU designed Resort-House in Tokyo. —

先日、中国でのリゾート開発で住宅の共同設計をしていた折、大先輩の建築家とちょっとした論議になった。彼は、普通の住まいと別荘などのリゾート住宅は全く違うもので、それぞれ違う発想で設計するべきだと主張された。でも、旅が好きな私にとって、日常とリゾートの境はほとんどないと言っても良い。毎日の生活の中でもリゾートにいるのと同じように家事や仕事を離れてゆっくりする時間がほしいし、逆にリゾートに出かけたときでもインターネットで仕事の仲間と打合せをし、海を見ながらラップトップで仕事ができる環境が欲しい。日常を支える住宅の中に非日常な感動と出会える場をつくり、別荘でも機能的で且つ安らぎのある空間を作りたいと思っている。
そんな夢を実現した住宅が大学時代の親友の為に設計した通称バリハウス。東京の真ん中にありながら、彼女が休暇で訪ねたバリ島で感じた安らぎ感を再現した住まいが欲しいという要望に応えて、都市の中に「秘境」を作った。仕事を終えて帰宅すると、施主自らバリで購入したバリ風の灯籠、バリスタイルのソファなどの優しいインテリアに包まれ、水庭に落ちる噴水の調べ、水中照明のゆらゆらした反射を見ているだけで、本当に心が安まるという。
日常とリゾートの境がないのは、世代ギャップかな…と思ったが、よく考えてみればこれは、日本の伝統文化である茶道、「市中の隠」茶室のこころに通じるような気もする。
上は、スタジオ宙が設計したリゾート住宅バリハウス(東京都)LDKの写真。
関西に設計したリゾート住宅 BH0711のページは、こちら。

投稿者:Yumi Kori |  日常風景 Diary |  記事本文

Happy New Year!

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現在設計中のグループホームの、新しいコンセプトをまとめるべく、大晦日の今日も仕事しています。とはいってもこの年末は、仕事の合間にクリスマスディナー、忘年会、大掃除も大忙しで、寝る時間は削っても、おいしいものを食べる時間は削らない私たちの日常は変わりません。。。

あと数時間で、来年です。なんとか本年度中にプランができるよう、がんばります!

遠藤の選んだ今年のボジョレー

作業台兼食卓テーブルの上には、検討中の模型がいっしょ。

谷村と郡の合作のディナー

投稿者:Yumi Kori |  日常風景 Diary |  記事本文

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