『建物の完成 Project Completion』 カテゴリーの記事
2021. 06. 19
一昨年より私たちが設計監理させていただいた住宅が竣工致しました。
敷地は、神戸港から大阪湾、紀伊半島まで一望できる高台にあり、西側には六甲山系の山々が広がります。
1階は地面との繋がりを重視し、庭の木々や草花を楽しむ空間としました。
主な生活空間は2階に浮かせて、景色を満喫する計画にしました。
建主は、ジョージナカシマの家具のコレクターで、この家のためにアメリカから運んだ家具の一部も居心地よく配されています。
建主の生活拠点がアメリカだったため、コロナ禍の中、工事契約や地鎮祭、上棟式も全てリモートで行いました。神主がタブレット画面に向かってお祓いをしたり、スマホで建物を映しながら打ち合わせをしたり、今までとは違う経験をさせていただき、とても思い出深い作品となりました。
投稿者:Toshiya Endo |
建物の完成 Project Completion |
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2021. 05. 13
この住宅は大正時代時代に建てられた町家です。ワインが趣味の建主が、友人を招いて楽しむ別荘として改装することになりました。度重なる増改築によって建設当初の趣が失われている部分もありましたが、玄関庭、中庭、奥庭という、3つの庭が室内と絡み合う空間構成が大変魅力的で、調査のために何度か現場に通ううちにすっかりこの建物の虜になってしまいました。
改装設計を進めるにあたり建物の歴史を調べるうちに、この土地が古くは平安貴族藤原道長の居宅跡の一角だということがわかり、(近くに道長の娘の家庭教師であった紫式部の居宅跡の廬山寺があります。)また、この建物が建てられた大正時代には北大路魯山人のパトロンとも言われた内貴清兵衛の所有地で、その後、西洋画家の高林和作の居宅兼アトリエになったことがわかりました。
ヤフオクで高林和作を見つけて作品集を買い求めると、そこには玄関で展覧会をしている写真がありました。(興味が深まり、設計と並行してこの家を題材に近代和風住宅と京町家の関連性に関する研究も行いました。今春、私の研究室の学生の修士論文としてまとめ、今度建築学会で発表します。)
100年以上の年月が経った古家は老朽化が進んでいました。改装にあたって土葺きの瓦屋根から乾式に替え、柱の接木をしたり梁材の入れ替えをして構造補強を行い、また、傷んだ左官壁は荒壁まで落として深草の中塗土仕上げとし、古い建具は補修しながら再生し、可能な限り建物の記憶を残すデザインにこだわりました。また手刷りの京唐紙の襖、石垣ばりの障子、燻し銀の敷瓦など、伝統的な工法や材料を多用しました。
座敷などのハレの部分は最小限のデザインで場に新しい風を取り入れる試みをし、ケに当たる部分は大胆に新しい空間を提案しました。
新築の設計プロセスとは全く違い、現場で解体が進むにつれて現れる問題点を現場で大工や職人と打ち合わせを重ねて解決し、造りながら図面を描き、考えながら造っていくという贅沢な設計の時間を過ごしました。今ここに無事竣工を迎え、感無量です。
設計にあたっては建物の中にいくつかのストーリーを埋め込みました。庭は、現代の玄関庭から思い出の中庭、そして古代の奥庭へと時の流れを意識した構成となっています。また、前の住み手である高林和作の絵画の特徴である深いブルーを内装に使ったり、藤原道長の有名な和歌の「望月」から着想を得て、家の方々に月のかけらを散りばめたりもしました。
投稿者:Yumi Kori |
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2021. 04. 12
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「月雫」は、大正時代の京都町家を改装して蘇らせたウィークエンドハウスです。古くこの土地は、藤原道長の居宅であったことから、彼の有名な和歌にちなんで望月(満月)をテーマにデザインしています。日本語で月光は月影とも表現されることからMoon shadow houseという英語題も添えています。
もともとあった柱や梁、また土壁や和紙などの伝統的な材料を生かし、職人たちの知恵や技術を借りながら作り上げました。床に使っている敷瓦のいぶし銀は、外光を穏やかに受け止め、光の変化で息づき、土壁や襖紙に映り込んで、空間に潤いのある陰影をもたらしました。
町家の空間の魅力を尊重しつつも、現代の生活スタイルに合った新しい提案もしています。
2階の浴室はもう一つのリビングでもあり、夕日の御所に遥かな星霜に想いを馳せる空間になっています。
ここを訪れる人は、住まいの中に散りばめられた様々な月影の雫を集めて、それぞれの望月を思い描いていただければと思います。
Moon shadow house is a renovation of Kyoto Machiya townhouse and was completed in March 2021. While respecting the traditional architecture of Kyoto, we are designing a new atmosphere that suits modern lifestyles. The dark silver floor tiles gently reflect the outside light, and space breathes as it changes. Since this land is the site of Fujiwara no Michinaga’s residence in ancient times, we decided to design it with the theme of the moon after his famous poem. In Japanese, moonlight refers to moonlight. Hiding various pieces of moon shadows in space, visitors collect them and imagine their full moon in their imagination.
投稿者:Yumi Kori |
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2021. 04. 01
大正後期の既存建物の解体をしながら、作りながら考える、考えながら造る。久しぶりに思う存分悩んで設計させていただきました!
リビングからダイニング。敷き瓦が光を運ぶ。
ダイニングからは南の庭が楽しめる。
二階には座敷。掛け軸をイメージした窓を床の間に設けました。
投稿者:Yumi Kori |
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2020. 12. 12
11月15日は、「まちの水辺を〇〇する」と題したセミナーを終日行い、竣工したばかりの「テラスかんなん」を思いっきり使いこなす楽しい日曜日となりました。
設計が終わり建物が竣工した時が、建築にとっての物語の始まりです。様々に使われることで場に新たな息吹が生まれ、みんなが楽しんで使ってくださっている様子を見ると嬉しくなり、設計者冥利につきる1日でした。
まず、午前中は、「テラスかんなん」の建物の魅力を解説するツアー。建物案内のついでに、建築鑑賞の仕方、五感を使っての空間の楽しみ方についての話もしました。(音楽鑑賞、絵画鑑賞など小学校から習っているのに、なぜか建物の鑑賞の仕方、学んだことないですよね。)
そして、午後は、水辺を楽しむソーシャルアクションのレクチャー(講師は泉英明さん)、
その後、来場者が、思い思いに楽しい場所を見つけてくつろぐという実践セミナー。
公園に出てキャッチボールをする人、屋上で眺めを楽しむ人、
友情出演の岸上純子さん(spacespace)のビールの差し入れと泉さんのラグのおかげで、水辺がリビングのようなくつろぎの場所になりました!
そして、その場の歴史を紐解く 岡絵理子先生(関大教授)のレクチャー、、、
建物のコンセプトと設計のプロセスを紹介する郡裕美のレクチャーに続き、地元の菅南地域活動協議会の池田さんも参加してくださり、地元の取り組みについても話してくださいました。
そして、あたりが夕闇に包まれた頃、友人のあずみけいこちゃんのアカペラのライブ。階段をステージに使うという機転の聞いたアイディアのおかげで会場はライブハウスのようになりました。
夕刻は、水辺に灯ったランタンのように公園を照らし、
屋上からは夜景が堪能でき、
子供も大人もスペシャルな気分で遊べる楽しい時間。。。
たくさんの友人知人に囲まれて本当に嬉しい1日でした!
ちょうど緊急事態宣言が解除され、GOTOも始まり、コロナの第2波のくる前のタイミングだったからこそ実現でき、本当にラッキーでした。
友人や知人たちの協力のおかげで、イベントは大成功でした。
参加くださった皆様、本当にありがとうございました。
投稿者:Yumi Kori |
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2020. 11. 06
まちの水辺を〇〇する。
-都市、建築、ソーシャルアクションの視点から考えるセミナー
11月15日に、私たちが設計し、今春に竣工した集会場の内覧会を兼ねてセミナーを企画しています。この建物は、大阪天満宮近くの大川沿い、春は桜の名所で知られる南天満公園につながる水辺にあります。
本格的な冬がやって来る前の秋の1日、お時間が許すようなら、是非、おいでください。
予約サイト:https://myu-201115.peatix.com
コロナ感染拡大防止策のため、予約制としております。
会場:テラスかんなん 大阪市北区天神橋1丁目3−3
南森町徒歩7分、天満橋駅徒歩7分
淀屋橋駅徒歩10分
午前の部 各回 定員15名
「テラスかんなん」建築案内
建物を案内しながら、デザインコンセプト、建築の見方、味わい方、楽しみ方、空間デザインの力についてお話しします。
1回目 10:00~10:45
2回目 11:00~11:45
3回目 12:00~12:45
4回目 13:00~13:45
午後の部 2:00~ 5:30 定員30名
まちの水辺を〇〇するセミナー
実際に使うことで場所の魅力、建築の力を発見してください!
まちの水辺を使いこなす
講師:泉 英明
都市プランナー ハートビートプラン代表・屋上や公園、建物の内外に居心地良い場所を見つけましょう。ラグやクッション、なんでも自由に持ち込みOK!
まちの水辺の歴史と記憶
講師:岡 絵理子
関西大学 環境都市工学部 建築学科教授
まちと水辺をつなげる建築デザイン
講師:郡 裕美
スタジオ宙一級建築士事務所代表
大阪工業大学 空間デザイン学科教授
テラスかんなんの建築設計プロセス、デザインコンセプトを紹介しながら「つなげる建築」の可能性について語ります。
天神祭の陸渡御と船渡御の出会うこの場所で、二つの世界を結ぶ門をデザインコンセプトに、敷地の高低差を生かして流れを作り出し「まちと水辺をつなぐ建築」としてこの地域集会所を設計しました。
かんなんテラスは、2018年度に行われたプロポーサルコンペで選ばれた郡裕美+遠藤敏也/ スタジオ宙が設計し、大阪工業大学ロボティックス&デザイン工学部 空間デザイン学科 郡裕美研究室と連携し、地域とのワークショップを行いながら進めました。
投稿者:Yumi Kori |
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2020. 08. 12
8月1日、私たちが設計させていただいた、大阪は天神橋のたもと、天満宮のお膝元、「テラスかんなん」菅南福祉会館の竣工式でした!
嬉しいことに地域の方々から感謝状をいただきました❗️感無量です。
これから皆様に楽しく使っていただけること祈ってます!
投稿者:Yumi Kori |
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