『美術の仕事 Art, Stage Design』 カテゴリーの記事
2021. 07. 13
現在開催中の郡裕美展「壁の向こうへ、」7/3-8/1@ギャラリー日本橋の家(大阪)
展覧会関連のニュースです。
今回の展覧会会場である安藤忠雄さんの設計された日本橋の家には窓がありません。建物のファサードはすりガラスの壁でできているので光は入ってくるのですが、家の中から外は一切見えません。3層吹き抜けのリビングにしばらく滞在しているうちに、そのすりガラスに包まれた閉塞的な空間が、現在のコロナ下での私たちの状況に似ているような気がして来ました。ステイホームで家にこもり、人とも社会とも不思議な距離感が生まれ、社会と直に触れることができない、オブラートに包まれたような状況です。どうやったらその壁を破ることができるんだろうかと考えているうちに、ふと紙飛行機のインスタレーションの案が浮かんで来ました。
紙飛行機は弱いものですが、誰でも簡単に作れます。外と繋がりたいという強い意思があれば、誰でも簡単に境界を突破できるというメッセージを込めて、今回、すりガラスの壁に紙飛行機を貫通させる作品を作りました。
ゆっくり点滅する緑の光が壁を貫通し、紙飛行機は加速度をまして壁の向こうへ飛び立ちます。
紙飛行機は、大昭和紙工産業株式会社 機能材料事業本部 東京機能材料部から提供していただいた特別な防水紙です。雨に濡れてもびくともしません。
また、この5メートルのLED ライトは、ゆっくり点滅し、緑の光が外部に向けて透過していく ことで、内外の境界が溶けていくことをイメージしました。LEDは、DNライティングの美しい製品を使用しました。5メートルの切れ目のないシュッとした光で、空間に緊張感が生まれました。
投稿者:Yumi Kori |
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2021. 06. 29
建築家/美術家である郡裕美(こおりゆみ)が、ギャラリー日本橋の家で展覧会を行います。
初日の7月3日は5時からギャラリートークと、その後、簡単なレセプションを考えています。(検温、消毒、コロナ対策万全にしてます。マスク着用でおいでください。)
トークに参加ご希望の方はこちらで予約 https://kori.peatix.com ください。
昨年より続くパンデミック下、「ステイホーム」や「ソーシャルディスタンス」が推奨され、他人とのコミュニケーションを絶つ生活が続いています。そんな「新しい生活様式」の中で、人々は自分の殻に閉じこもり、身体感覚が鈍っていき、世界とのリアルな繋がりが希薄になっています。でもこのコロナ禍、私たちが感じている閉塞感は、物理的な壁のせいではなく、自分や社会が作る「見えない境界」に閉じ込められている感覚のような気がします。
今回の展覧会では、そんな「境界」について再考し、閉塞感の中に微睡んでいる私たちの身体が覚醒することを企てを考えました。壁はそこに本当に存在するのだろうか?突き当たりだと思っている先に、本当は隠れた広がりがあるのではないだろうか?非常事態宣言がやっと解除された今、この展覧会がパンデミック後の新しい世界で生きる力を育むきっかけになることを祈願します。
郡 裕美
郡は、1997年より建築設計と平行して空間アートを作り始め、ニューヨーク、ベルリン、東京、サンパウロ、バーゼルなど、世界各地で作品を発表してきました。彼女のインスタレーションは、観客が作品の中に入って自由に歩き回り、五感を通じてそこに現れた新しい空間を体感する新しいタイプの作品です。日常に潜む隠れた空間層を発見し、そこにインスタレーションを施すことで、当たり前だと思っている空間が全く違って見え、人々の固定概念を一蹴することを企てます。彼女の作品は、既存空間にリスポンスするサイトスペシフィックであることが特徴で、今まで東ベルリンの地下貯水場跡やブラジルはサルバドールの旧砂糖工場の独房跡、廃館となった旧武蔵野市立図書館跡など、場の記憶をテーマにした作品を多く作ってきました。一方、銀座メゾンエルメス(レンゾピアノ設計)やクリチバの美術館(オスカーニーマイヤー設計)など有名建築家の作品に呼応した空間作品も多く発表しています。
京都府立大学を卒業後、アルテック建築研究所勤務を経て、1991 年にスタジオ宙一級建築士事務所を遠藤敏也と共同設立。空間を体験した人がその美しさ、楽しさに感動できる建築をめざし、住宅やコミュニティ施設の設計の他、古民家再生や町並み修景デザインも行う。千葉県香取市佐原の伝統的建造物群保存地区の再生と新たな価値の発見に対して2015年度建築学会賞(業績)。また、2011年アジア建築家評議会アルカシアゴールドメダル受賞など、国内外の様々な建築賞を受賞。
また、1995 年コロンビア大学建築学部修士課程終了の翌年よりコロンビア大学准助教授に就任。ニューヨークに拠点を設け、イエール大学、パーソンズ・スクール・オブ・アート、東京理科大、名古屋工業大学ななど、日米両国で建築教育に携わる。2016年度より大阪工業大学R&D工学部空間デザイン学科の教授に就任。
今回の展覧会開催にあたっては大阪工業大学郡裕美研究室と共に様々な空間実験を重ねました。コロナ禍の状況から思うように活動ができませんでしたが、研究室の有志学生の中村翔太と嶋田陸が中心となって結成したアーティストユニットmukuとakihitoの作品も同時に展示をします。
投稿者:Yumi Kori |
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2018. 02. 25
この度、ワシントン大学(シアトル)に招聘され、講演会をすることになりました。
「Between Art and Architecture」というお題をいただきましたが、
建築は本来総合芸術なのに、芸術と建築に「between」 があるということ、考えてみれば不思議です。
作るプロセス、完成した作品、そして、その後、、、。
会場の皆様と共に考えることができる会にしたいと思います。
Between Art + Architecture
WEDNESDAY, 28 FEBRUARY 6:00 PM | ARCH HALL 147
UW Department of Architecture Winter 2018 Lecture Series
http://calendar.washington.edu/126412343/BetweenArtandArchitecturewithYumiKori
投稿者:Yumi Kori |
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2016. 10. 17
10月11日、イタリア文化会館にて、郡裕美とルーカ・ゼーヴィ氏による「建築と記憶」展の講演会及び、レセプションが行われました。
生まれた国も文化も違う二人が、「建築と記憶」をテーマにそれぞれの視点から話を進めていきました。
その後、二人はお互いに質問を投げかけます。
郡は、ルーカ・ゼーヴィ氏に建築とアートの境界は一体何か聞かれ、
「ミケランジェロやダヴィンチが建築家でありアーティストであった様に、建築とアートの間に境界はないと思います。人が建築に感動する時は、建物の安全性や機能性が良いと言うことではなく、建物の美しさであったり、そこでの空間体験であったり、とてもアート的な感動から建築の素晴らしさを知るのではないでしょうか。」と答えました。
私は、今回スタッフとして講演会に参加し、郡の話を聞いておりましたが、この考えがスタジオ宙の根底にあるのだと感じました。
その後は、「建築と記憶」展のオープニングのレセプションを行いました。皆様と美味しいプロセッコを頂きながら意見交換をし、とても有意義な時間を過ごしました。
今回の展覧会では、「建築と記憶」をテーマに、今まで手がけて来た作品を読み解いています。
その他にも、郡が建築をする上で、知らず知らずの内にデザインの根源となっていた思い出の品々や、実際のアート作品の展示もしております。建築ってよくわからないと言う方も、別のアプローチから楽しめ、さらには建築について考えてみたくなる展示会となっております。
郡裕美とルーカ・ゼーヴィ氏による「建築と記憶」展は今月26日まで開催しております。
皆様是非足をお運びください。
「建築と記憶」
– 郡裕美とルカ・ゼーヴィの作品における日伊間の対話 –
●展覧会会期:10月11日ー 26日(入場無料)
11:00-18:00
●イタリア文化会館(九段下)1階ギャラリー
〒102-0074 東京都千代田区九段南2−1−30
投稿者:Shiho Takematsu |
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2016. 10. 06
10月11日(水)〜26日(火)までの2週間
イタリア文化会館にて
建築家 Luca Zevi 氏と郡裕美が、「建築と記憶」というテーマで対談、
同時に2人の作品展示をします!
Luca Zevi氏は名著「空間としての建築」の著者ブルーノ・ゼーヴィ の息子さんで、イタリアで活躍する建築家です。
イタリアのホロコ ースト美術館を手がけ、記憶と建築についての深い考察をされてい ます。
「建築と記憶」
ー郡裕美とルカ・ゼーヴィの作品における日伊間の対話ー
●展覧会会期:10月11日ー 26日(入場無料)
●イタリア文化会館(九段下)1階ギャラリー
〒102-0074 東京都千代田区九段南2−1−30
●10月11日(火)PM6:00~対談 @ アニェッリホール
PM7:30~レセプション @1階ギャラリー
建築は、様々な記憶の集積によって形成されています。
そ の土地の歴史や風土、そこに生活している人々の記憶、また、建築 が作られる過程、石や木など建材そのものにも記憶があり、それら が、からみ合い、溶けあい ながら建築は作られ、空間が生み出されています。そして、長い年 月をかけ積み重なり、町並みが生まれ、都市が発展し、また伝統技 術も培われていきます。
郡は建築や空間作品を創る時、しばしばその記憶を紐解き抽出し ながらイメージ作りの依りどころとします。結局それらの作品も郡の記憶が重なってできているのです。
今回この展覧会を通して、建築という概念が生まれたヨーロッパで 生まれ、そこで活動されているゼヴィ氏と、日本で生まれ育った日 本人の郡とが、各自の作品とダイアローグを通して、記憶、建築、 自然、都市について考えるきっかけになればうれしいです。
そして二人の記憶が皆様の記憶の中にどの様に映るのか、興味は尽 きません。
是非おいで下さい。
郡裕美とルカ・ゼーヴィ氏の講演会参加ご希望の方は
下記URLにありますメールアドレスからお申し込み頂きますようお願い致します。
http://www.iictokyo.esteri.it/iic_tokyo/ja/gli_eventi/calendario/2016/10/conferenza-dialogo-sull-architettura.html
投稿者:Shiho Takematsu |
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2016. 08. 31
2016.09.17-2016.10.09までの3週間
ドイツ、シュトゥットガルトの近くにあるグッピンゲンという町で開催される『Lichtkunst festival(光のアートフェスティバル)』に、郡裕美が『Infinity Device(携帯無限装置)』を広場に設置します。
Lichtkunst festivalは多くのアーティストが光をテーマに集うアートフェスティバルです。郡は教会の前の広場に、小さな空間の中に広がる光の無限と影の無限を表現したアート作品、「Infinity Device(携帯無限装置)」を設置します。
郡の作品については、『Lichtkunst festival(光のアートフェスティバル)』のサイトでも紹介されているので、是非ご覧下さい
http://www.kulturregion-stuttgart.de/english/yumi-kori/
以前日本で行われた展示についてはこちらの記事をご覧下さい。
https://www.studio-myu.com/news/archives/2964
現地での作品展示の様子は9月17日以降にまたアップする予定ですので、日本にいる皆様も楽しみにしていて下さい。
投稿者:Shiho Takematsu |
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2015. 11. 14
現在、ブラジルのクリチバ ビエンナーレで行われている展覧会、
Haruka の作品の様子がわかるビデオです。
展覧会の詳しい情報は、こちらです。
This is the Video Documentation my installation.
It is now held in Brazil as a part if CUritiba Biennale 2015.
Here are more detailed information and description of the art work.
VIDEO
投稿者:Yumi Kori |
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