スタジオ宙

『講演会 Lectures』 カテゴリーの記事

Green Airplane イベント&講演会 無事終了!。

— Workshop, Installation and Lecture went Successful by Yumi Kori —

郡 裕美 講演会「Site Transformation」は、おかげさまで大盛況でした。
(コロンビア大学 Columbia University GSAP, studio X Tokyo, Lecture 第4弾 )
題目は、日本語に訳すと「場の変容」という意味。
郡が世界各地で行ってきた舞台美術、アート、建築作品を通して、「場や空間の見え方を変えること」について語りました。

同時開催のアート・インスタレーションGreen Airplaneは、郡裕美ブログに詳しく掲載予定。
みどりの紙飛行機をガラスに向かって飛ばす体験を通じて、参加者が、「ガラス」に対して、「境界」に対して、「自分と世界との関係」について、新しい視点をもってくれることを企んだ企画。
コロンビア大学 Tokyo X studio のリンクは、URL http://www.archiroid.sakura.ne.jp/studioxtokyogsapp/?p=730

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8月8日コロンビア大学建築学部 東京スタジオXで講演会

— Yumi Kori, Lecture & Green Airplane Art Project @ Columbia University, Graduate School of Architecture, Planning and Preservation, studio X Tokyo —

ついに夏も本番。毎日、本当に暑いですね。
さて、そんな真夏の昼下がり、東京、芝浦にて、
Green Airplane アートプロジェクトを行います。
コロンビア大学大学院 建築学部の研究拠点Tokyo X studio の
レクチャーシリーズ第4弾として、郡裕美の講演会も同時開催。

Green Airplane コンセプト
20世紀以降、建物の外壁にガラスが多用され、インテリアは町に開かれることになった。しかし、現在、これらの透明な建築の前を、人々はただ無関心に通り 過ぎていく。ガラスは透明なはずなのに「見えない壁」となって私達と世界を隔てている。このGreen Airplane プロジェクトでは、しなやかな強さをもつ紙飛行機を、参加者が一つ一つ、心を込めて折り、ガラスの外壁にむかって内側から飛ばすことで、ガラスの透明性、 物質性を再考することを考えた。これは、「見えない壁」に気づき、それを壊す試みである。

Columbia University, Studio X Tokyo について。
アメリカ合衆国 コロンビア大学大学院建築学部(GSAPP, Graduate School of Architecture, Planning and Preservation)は、学部長であるマーク・ウィグリー(Mark Wigley)氏の指揮のもと、2009年から東京、北京,リオ・デジャネイロ、ムンバイ、ニューヨークの5都市に研究拠点を設けました。都市、建築、科学技術のグローバルな研究を目指す本拠点の総称。東京での拠点がStudio X Tokyo です。 東京では、Studio X Tokyo House(芝浦)と、Studio X Tokyo Capsule(銀座)を運営。URL  www.studioxtokyo.com

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医療空間の再考~@愛知県大,12月3日,郡裕美講演のお知らせ 

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医療空間の再考~医療安全を患者の視点から考える~ 研究会の中で郡裕美 が講演をします。

日  時:2011年12月3日(土) 10:00-17:20
場  所:愛知県立大学看護学部
医療の安全に関する研究会~医療に安全と安心を~
〒463-8502  名古屋市守山区大字上志段味字東谷 tel: 052-736-1401
参加費:一般2,000円 会員1,500円 学生 1,000円

http://www.urban.meijo-u.ac.jp/zsakai/iryou-anzen/

窓ひとつない待合室で、青白い蛍光灯の下、
堅い椅子に座って、診察を延々と待っているうちに、
すっかり気が滅入ってしまった経験はだれにでもありますよね。
もし、緑の風景が見える窓があったなら、
もし、椅子の配置が違っていたなら、
患者の視点をもう少し考慮してくれれば、
既存の病院空間は大きく変わるのに…。
病院に行くたびに、その非人間的な空間に悲しくなり、
建築設計に関わる者として何ができるのか、ずっと考えてきました。

十五年前、味気ない病院の一室で癌で亡くなった父に、いつか「人間に優しい病院をつくる」と誓って以来、少しづつですが、病院の空間に関して発言を重ねて きました。昨年は、藤田衛生大学の医学生と共に、患者や医療従事者の居住環境という視点で大学病院の空間観察をし、医療空間の改善点について考察するセミ ナーを行う機会をいただきました。そして、今週土曜日の12月3日、愛知県立大学看護学部で行われる「第16回 医療の安全に関する研究会の大会」でのテーマセッションで、「医療空間の再考~医療安全を患者(利用者)の視点から考える~」というテーマで講演をさせて いただくことになりました。そして、医者、看護師、患者など、医療に関わる様々な立場の方々に参加いただきグループ討論をします。患者が健康を取り戻し、 心身ともに癒される、安心で安全な医療空間の実現の為に、一患者であり、建築家としての私の視点が役立つことを願い、いくつか提言をさせていただきます。 お時間がありましたら、是非、ご出席いただければ幸いです。

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光の討論会,ミラノサローネ2011に招待参加。LED照明の可能性を考察。

— Kori Invited as a panelist for "Feel what light can do" in Milan EuroLuce. —

Feel What Light can do と題するパネルディスカッションに、光のエクスパートとして郡裕美が招待され、パネラーとして参加しました。日本語に訳すと、「光の効果を体感しよう。」「光の可能性を感じよう。」という意味でしょうか。ミラノサローネと並行して、ミラノで行われたユーロルーチェ(国際照明見本市) の一環でオランダ、フィリップス社の招待でした。日独仏米中蘭、世界各国から招待された7人の光のデザイナーとともに、光の可能性に関する有意義な討論ができました。ミラノ・トルトーナ地区にある会場Nhow Hotelでは、 郡裕美のライト・インスタレーションや光を使った舞台美術 , スタジオ宙の代表作のHouse of Shadows など建築作品の展示も並行して行われました。 また、Euroluce2011の会場では、画期的に進化した多くのLEDを見ることができました。フィリップス社を初め、照明器具のデザインというより、光そのものに対する新しいデザイン提案も多くあり興味深く思いました。 展示を見ていて現在設計中のグループホームに、それら新しい LEDを使えたらいいなと思いました。たとえば、高齢者施設の居間は、多目的につかわれます。食事、デイセンター、趣味、読書…、それぞれの生活の場面で必要な光の量や質は全く違います。新しいLED照明では光の強さだけでなく、色温度も簡単に変えられるという技術が開発されており、場の雰囲気を簡単に変えられるという画期的な照明計画が提案できそうです。生活の場面に合わせて、蛍光灯の様な白く機能的な光、白熱電球の様な暖かい光などを使い分けることができれば、機能的で居心地のよい住まいになることと思います。 残念ながらLEDは、まだ高価で普通に使えないのですが、近い将来、LEDを使った新しい照明デザインを考えてみたいと思いました。

ミラノEuroluce会場で。香港とNYの照明デザイナーとスナップ写真。

投稿者:Yumi Kori |  お知らせ News, 講演会 Lectures |  記事本文

奈良県吉野 林業の明日 フォーラムに参加

— Kori, invited as a Panelist at Forum for the Future of Nara Yoshino Forestry —

1月25日、奈良県橿原市商工経済会館で開かれた「吉野林業の明日にむけて」と言うフォーラムに、郡裕美がパネラーとして招待されました。杉の産地で有名な吉野の林業を取り巻く状況について話し合い、新しい可能性を探るという趣旨で催された会です。国産の材木価格は、この10年間ですっかり下落し、吉野にある多くの関連企業は廃業に追い込まれ、また、山の手入れをする山守の後継者問題も浮上し、林業は、危機にさらされています。木の家に住む伝統のある日本人にとって、建築にかかわる私たち設計者にとって、とても重要な問題なので、フォーラムの内容をかいつまんでご報告したいと思います。

吉野林業再生の課題と方向

まず、京都大学院農学研究科の川村誠先生のとても興味深い講演があった。吉野は、400年近く育て続けられて来た人工林としては世界でも珍しい存在であり、歴史的な価値があることを指摘された。でも、吉野がなぜ400年もの間、林業を守ってこれたかというと、そこに素晴らしい経営の知恵があったからだと言う。山の所有者とそれを管理する山守が分かれており、所有者は、投資することで利潤を得、山守は、管理することで生活費を得ていたらしい。こうすることで、山守は、複数の所有者の山をまとめて効率よく管理することができ、所有者は、小口の投資も転売も可能になり、山を投資資産として考えられる。吉野の山は、早くから今でいうところの「ファンド化」されていたということになる。

「吉野林業の明日に向けて」
講演の後、奈良女子大学の生活環境学部の藤平眞紀子先生が進行役となって、パネルディスカッションがおこなわれた。川村先生が指摘されたように、不便な場所にありながら、高度経済成長時以降、日本全国に吉野杉というブランドを行き渡らせた情報発信力に特徴がある吉野だが、時代が変わり、新住宅を建てる時に純和風の座敷をつくることが稀になった今、ほとんどブランドの意味が無くなっている。町の工務店ネット代表の小池一三氏、清光林業株式会社会長の岡橋清元氏、そして、スタジオ宙代表の郡裕美が、会場の参加者と共に、どうしたら、新たなニーズ、流通形式が確立できるかということ、また、どうしたら、山を維持するシステムができるのかという事について討論した。

「郡 裕美 私見」
真壁構造の純和風な住宅デザインが、これから再び日本でポピュラーになることは無いと思う。つまり、和風の造作材で有名な吉野だが、今後は、時代のニーズに合った新しい吉野杉の使い方を発見していかなければならない。既存の建築スタイルに囚われない新しいデザインを模索し、インターネットや宅配便など新しい流通形式も取り入れながら、新しい木の文化をつくり、新しい市場を開拓することが必要だと思った。

木漏れ日が神々しく差しこむ吉野の山林。機会があれば、いちど訪ねてみてはいかがですか?住宅が建てられている木材が、どんな風や光を感じながら森で育ち、どんな人たちの手で大切に守られてきたのか、感じながら暮らすというのは、生活にもうひとつの奥行きと楽しみを与えてくれるきっかけになると思いました。

投稿者:Yumi Kori |  講演会 Lectures |  記事本文

耐震改修大勉強会 in 神戸で、郡裕美が講師を務めます。「アート・リノベーション」のススメ

— Yumi Kori lectured "Art Renovation" at Earthquake‐Resistant Design Conference in Kobe. —

2011年1月17日。耐震改修大勉強会 in 神戸で、郡裕美が講師を務めます。阪神淡路大震災から16年目の日に、養老孟司さんが耐震改修推進会議議長となって、神戸国際会議場で大勉強会が開かれます。詳細は、こちら。http://t95.jp/kobe-schedule.html

地震と震災は、違います。神戸の大地震が大きな大震災を引き起こし、多くの方が亡くなられた原因のひとつに、木造住宅の耐震性が弱かったことがあげられます。

全国から集まった工務店、建築設計士、それから林業関係の方々、行政関係者などが、一堂に会して住宅の耐震化について勉強しようという会議です。その勉強会の中で、「耐震改修・そして本格改修へ」という分科会があり、そこで、スタジオ宙の郡 裕美が、事例発表をしながら、リノベーションや改修、リフォームや改装の様々な可能性について語ります。題して「アートリノベーション」のススメ。強いだけでなく、美しく、楽しい住まいを作る創造的リノベーションの手法を紹介します。

(参考事例写真)京都の長屋のリノベーション、左が改装前写真、右が改装後の写真(スタジオ宙の設計)

アート・リノベーション

—「文化的」住宅改修のススメー

強いだけでは物足りない。もっと美しく、もっと楽しく生まれ変わりたい!

スタジオ宙(みゅう)一級建築士事務所 代表 郡 裕美(こおり ゆみ)

耐震診断、消防検査、室内環境汚染のチェックなど、ハード面から住宅建築を診断し、強くて安全な建物に生まれ変わらせることは、とても重要なことです。でも、住宅を改修する時、そういったハードな視点をもつだけでは、十分ではありません。住宅の持つソフトな側面、つまり、居心地良さや楽しさ、美しさなど「文化的側面」も考慮して改修する必要があります。なぜなら、住まいは、私たちの体だけでなく、心を入れる容器でもあり、身体の安全が確保されただけでは人間は幸せになれません。また、住宅は、そこで新しい命を育み、生活を通じて文化を次世代に伝える為の重要な教育的、文化的資産でもあるからです。

残念なことに、現実に建っている住宅を見てみると、それら住宅の文化的側面が充分考えられて設計されているものは、あまり無いように思います。ですから、耐震改修という大がかりな工事を行うとき、ソフト面からみた住宅診断を同時に行う必要があるのです。

1. 地域社会と適度に交わり、2.自然と親しみ、3.居心地の良い空間があり、4.家族の関係性に合った間取りで、5.機能的で働きやすく、6.適材適所に収納があり、7.家族の増減に対応でき、バリアフリー化が可能な計画。8.建物に楽しくて、美しさに感動できる芸術性があり、9.緑化、自然エネルギーを積極的に利用するなど環境共生型の住まい。これが、私の考える理想の住まいです。良い住まいというのは、それらの要素が、バランスよく満たされていることだと思います。

今回の「木の家」耐震改修大勉強会の機会を借りて、住宅の改修をする時に、耐震改修などのハード面に加えて、住み手の人間関係や、そこで展開される生活の質など、ソフト面から住宅を診断し、それを改修する方法をご紹介したいと思います。

ソフト面から見た住宅診断9項目

診断1.町との関係はうまくいっているか?

診断2.自然と触れ合う場があるか?

診断3.どこの場所も快適で居心地よいか?

診断4.家族関係に合った間取りか?

診断5.動線計画は、合理的か?

診断6.収納量、収納方法、収納場所は、適切か?

診断7.家族の成長に対応できるか?

診断8.建物に美しさ、楽しさがあるか?

診断9.環境に配慮しているか?

上記の項目に従って、住まいの各要素を診断し、良くない点を改修するようすれば、耐震改修だけに留まらず、本当の意味での質の高い住まいを作ることができます。

様々な事例を通して、アート・リノベーション、「文化的」住宅改修の設計手法についてお話しさせていただきます。

投稿者:Yumi Kori |  講演会 Lectures |  記事本文

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