郡 裕美 講演会「Site Transformation」は、おかげさまで大盛況でした。
(コロンビア大学 Columbia University GSAP, studio X Tokyo, Lecture 第4弾 )
題目は、日本語に訳すと「場の変容」という意味。
郡が世界各地で行ってきた舞台美術、アート、建築作品を通して、「場や空間の見え方を変えること」について語りました。
同時開催のアート・インスタレーションGreen Airplaneは、郡裕美ブログに詳しく掲載予定。
みどりの紙飛行機をガラスに向かって飛ばす体験を通じて、参加者が、「ガラス」に対して、「境界」に対して、「自分と世界との関係」について、新しい視点をもってくれることを企んだ企画。
コロンビア大学 Tokyo X studio のリンクは、URL http://www.archiroid.sakura.ne.jp/studioxtokyogsapp/?p=730
ついに夏も本番。毎日、本当に暑いですね。
さて、そんな真夏の昼下がり、東京、芝浦にて、
Green Airplane アートプロジェクトを行います。
コロンビア大学大学院 建築学部の研究拠点Tokyo X studio の
レクチャーシリーズ第4弾として、郡裕美の講演会も同時開催。
Green Airplane コンセプト
20世紀以降、建物の外壁にガラスが多用され、インテリアは町に開かれることになった。しかし、現在、これらの透明な建築の前を、人々はただ無関心に通り 過ぎていく。ガラスは透明なはずなのに「見えない壁」となって私達と世界を隔てている。このGreen Airplane プロジェクトでは、しなやかな強さをもつ紙飛行機を、参加者が一つ一つ、心を込めて折り、ガラスの外壁にむかって内側から飛ばすことで、ガラスの透明性、 物質性を再考することを考えた。これは、「見えない壁」に気づき、それを壊す試みである。
Columbia University, Studio X Tokyo について。
アメリカ合衆国 コロンビア大学大学院建築学部(GSAPP, Graduate School of Architecture, Planning and Preservation)は、学部長であるマーク・ウィグリー(Mark Wigley)氏の指揮のもと、2009年から東京、北京,リオ・デジャネイロ、ムンバイ、ニューヨークの5都市に研究拠点を設けました。都市、建築、科学技術のグローバルな研究を目指す本拠点の総称。東京での拠点がStudio X Tokyo です。 東京では、Studio X Tokyo House(芝浦)と、Studio X Tokyo Capsule(銀座)を運営。URL www.studioxtokyo.com
Feel What Light can do と題するパネルディスカッションに、光のエクスパートとして郡裕美が招待され、パネラーとして参加しました。日本語に訳すと、「光の効果を体感しよう。」「光の可能性を感じよう。」という意味でしょうか。ミラノサローネと並行して、ミラノで行われたユーロルーチェ(国際照明見本市) の一環でオランダ、フィリップス社の招待でした。日独仏米中蘭、世界各国から招待された7人の光のデザイナーとともに、光の可能性に関する有意義な討論ができました。ミラノ・トルトーナ地区にある会場Nhow Hotelでは、 郡裕美のライト・インスタレーションや光を使った舞台美術 , スタジオ宙の代表作のHouse of Shadows など建築作品の展示も並行して行われました。 また、Euroluce2011の会場では、画期的に進化した多くのLEDを見ることができました。フィリップス社を初め、照明器具のデザインというより、光そのものに対する新しいデザイン提案も多くあり興味深く思いました。 展示を見ていて現在設計中のグループホームに、それら新しい LEDを使えたらいいなと思いました。たとえば、高齢者施設の居間は、多目的につかわれます。食事、デイセンター、趣味、読書…、それぞれの生活の場面で必要な光の量や質は全く違います。新しいLED照明では光の強さだけでなく、色温度も簡単に変えられるという技術が開発されており、場の雰囲気を簡単に変えられるという画期的な照明計画が提案できそうです。生活の場面に合わせて、蛍光灯の様な白く機能的な光、白熱電球の様な暖かい光などを使い分けることができれば、機能的で居心地のよい住まいになることと思います。 残念ながらLEDは、まだ高価で普通に使えないのですが、近い将来、LEDを使った新しい照明デザインを考えてみたいと思いました。