佐原、蔵の改修完成直後、地震被害。
— RIght After the completion of Historical Renovation, the Earthquake attacked the Old Kura Storehouse. - Sawara, Japan- —
昨年より続いていた、千葉県香取市佐原の蔵、洋館などの修景、修復工事が終了しました。
ところが完成間近の3月11日、あの大地震が発生しました。
今回は、完成の報告と同時に、被災状況の報告も兼ねざるを得なくなりました。
東京駅から高速バスで佐原に入ると、燻し銀の街並みのところどころが青色に替わっていました。
地震で、かなりの世帯の瓦が落下してしまったそうです。
瓦職人も不足し、いまだブルーシートの下での生活を余儀なくされています。
3月初め。仕上がったばかりの蔵の外観です。真っ白い漆喰壁が見事でした。(改修工事中の様子はこちら。)
ところが、今回の地震で、外壁の漆喰に、かなりひびが入ってしまいました。
基礎および土台、骨組みの取り換え、補強ををしておいたので倒壊はしませんでしたが、特に、コーナー部分の破損が激しかったです。全面補修したいのはやまやまですが、部分補修で対応するしかないようです。
下見板張りで仕上げた洋館は、全く被害がありませんでした。少しホッとしました。
佐原の伝建地区には、この他にも私たちが古い町家や蔵をリノベーション設計したものがいくつかあるのですが、瓦が落ちたり、内部の壁に亀裂が入ったり、損害が出ているものもありました。ただ、幸いなことに、構造的に支障をきたすような、大きな被害までには至らなかったようです。
ところが、佐原のもっと利根川よりの地区では、さらに大変なことになっていました。
液状化が起こり、写真は撮れませんでしたが、建物や電柱などの傾きが、目視でもはっきりと確認できました。道路も、一応は復旧されていましたが、明らかに波打っているのが判ります。観光名所である小野川や、街中の至る所から液状化した砂が噴出し、水道管が破れたようだったそうです。
これだけの被災でも、佐原のことは、メディアではあまり紹介されていないようです。いかに他の地域の被害が大きかったか、あらためて今回の災害が膨大かつ広範囲であったかを感じさせられます。
投稿者:Kensuke Iso | 建物の完成 Project Completion | 記事本文