緑の紙飛行機、壁を貫く!
— Green Paper Airplane passes the border! —
現在開催中の郡裕美展「壁の向こうへ、」7/3-8/1@ギャラリー日本橋の家(大阪)
展覧会関連のニュースです。
今回の展覧会会場である安藤忠雄さんの設計された日本橋の家には窓がありません。建物のファサードはすりガラスの壁でできているので光は入ってくるのですが、家の中から外は一切見えません。3層吹き抜けのリビングにしばらく滞在しているうちに、そのすりガラスに包まれた閉塞的な空間が、現在のコロナ下での私たちの状況に似ているような気がして来ました。ステイホームで家にこもり、人とも社会とも不思議な距離感が生まれ、社会と直に触れることができない、オブラートに包まれたような状況です。どうやったらその壁を破ることができるんだろうかと考えているうちに、ふと紙飛行機のインスタレーションの案が浮かんで来ました。
紙飛行機は弱いものですが、誰でも簡単に作れます。外と繋がりたいという強い意思があれば、誰でも簡単に境界を突破できるというメッセージを込めて、今回、すりガラスの壁に紙飛行機を貫通させる作品を作りました。
ゆっくり点滅する緑の光が壁を貫通し、紙飛行機は加速度をまして壁の向こうへ飛び立ちます。
紙飛行機は、大昭和紙工産業株式会社 機能材料事業本部 東京機能材料部から提供していただいた特別な防水紙です。雨に濡れてもびくともしません。
また、この5メートルのLED ライトは、ゆっくり点滅し、緑の光が外部に向けて透過していくことで、内外の境界が溶けていくことをイメージしました。LEDは、DNライティングの美しい製品を使用しました。5メートルの切れ目のないシュッとした光で、空間に緊張感が生まれました。
投稿者:Yumi Kori | 展覧会情報 Exhibition Info, 美術の仕事 Art, Stage Design | 記事本文