ARCASIA建築賞ゴールドメダルを受賞。佐原 カフェしえと。
— Yumi Kori won ARCASIA Award 2011 for Shieto Historical Renovation —
スタジオ宙が設計した「カフェ しえと」千葉県佐原の古民家改修・改装が、
2011年度 ARCASIA建築賞 保存・再生部門
ゴールドメダル 受賞しました。
※アルカシア建築賞は、アジアの17ヶ国の建築家協会によって構成されるアジア建築家評議会が、アジアの建築環境の水準を上げる目的で、アジアで活躍する建築家の模範となる作品を奨励するために創設されたものです。来年の10月にインドネシアのバリ島で開かれるアジア建築会議(ACA)にて、ゴールドメダルと賞状を頂くこととなりました。
詳細の結果通知はこちらをご覧ください。
(ARCASIA Award 2011/2012 – Final reportをクリックしてください。)
「カフェしえと」は、明治後期に建てられた商家でした。景観形成地区に指定されている佐原にとってこの商家は、中庭を中心に母屋、 蔵、味噌蔵という、伝統的な住棟配置が残る、特に貴重な例です。したがって、 個々の建物の再生やファサードのデザイ ンだけでなく、建築群としての存在、奥行き のある町並みを常に意識しながら計画を進めました。母屋は、観光客や地元の人たちを歴史に誘うカフェとして蘇らせ、そして中庭は、裏木戸から誰でも自由に出入りでき、町並みの延長として佐原散策のスポットとなっています。
時間の堆積物に覆われた空間を読み取り、そこから残すべきもの、手直しするものを見極め、さらに新しい用途や機能を含めた「現代」というフィルターを重ねていきました。しかし、歴史的町並みの再生という 本質を見失わないためには、そのフィル ターは可能な限り薄くする必要がありました。ここで発見された空間の意味や美しさ、歴史の記憶を最小限の要素を用いて、強化し、変成しながら、見え方、用途を変えていきました。つまり「作らずに創る」ということが、「カフェしえと」において、私たちの最大の テーマでした。
こうして佐原の町並み、歴史とともにある「カフェしえと」が、まだまだ開発途上のアジアの建築業界の中で文化的な価値がある建築と評価していただいたことは大変うれしく思います。
佐原へお出かけの際は是非、お立ち寄りください。佐原にはこの他にスタジオ宙が改修、設計した「しゅはり」、「レストラン千与福」などがありますので合わせてお立ち寄りください。