YUMI KORI ART WORKS

『アート』 カテゴリーの記事

機能とデザインの交差点。狂った時計について。

「なんだ、この時計、1時間進んでいるじゃない!?」いやに時間が早く過ぎるなーと思いながら、ばたばた支度をし、ふと携帯をみるまだ朝の9時だ。机の上の時計はもう10時を過ぎているというのに。「あ、それね。おしゃれだと思って飾ってあるだけだから。」え?狂った時間の時計を置いておいたら紛らわしいじゃない、と私が怒ると、「だってその時計どうせ見にくいから見やしないし」と母。それなら、こんなところにおいておかなければいいのに再び言うと「だっておしゃれだから」と困ったように言いながら、「あ、それ、きっと電池がないから時間が狂ったんだよ。電池を買いに行こう。」と素涼しい顔をして話題を変える。ーーーこの一連の母との会話。まるで昔見た不条理劇の一場面の様で、苦笑いしてしまった。
ーーーしかし、時計がこんなにも機能とデザインの交差点に位置するプロダクトだという事を改めて再確認した。建築における機能とデザインの関係より、もっとシビアな関係なんだなーと、再認識することができた有意義な朝になった。
しかし、建築家たるもの、時計が狂った時間を刻み始めても、お払い箱にしない優しさと知性を持ち合わせるべきだろう、と深く反省した!?。

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ジャングルジムに潜む迷路

— Jangle gym contains many passages within. —


久しぶりに公園のジャングルジムに登ってみた。普通よりちょっと高い視点、透明な山の中に立っているようで、不思議な浮遊感がある。てっぺんに登りながら、ジャングルジムの格子の様子を上から観察すると、そこに、水平、垂直方向に、様々な道があり、それらが絡み合い、立体迷路になっていることに気がついた。そういえば、ジャングルジムで遊んだのは、もう何十年も前のこと。そのころは、ジャングルジムの平面、断面プランに思いをはせることもなく、ただ、遊んでいたからねー。
しかし、見れば見るほど、ジャングルジムは建築だ!
青い空を見ながら思った。今まで見たこともないような新しいジャングルジムの設計してみたいなーって。

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職人さんは一日何枚の絵を描くのだろう?

— How many Drawings he make at the construction site? —


改装中の現場にて。古いフローリングの上に新しいフローリングを接着張りしている職人さん。よく見ると、それは一筆書きの絵画。一つ一つがよく似ているのに微妙に違うアート作品の様に見えた。

ちなみに、本当はこんなに接着剤を使いたくはないのだけれど、今回は既存フローリング下の、温水床暖房を生かしながら改装をしなければならないという条件のため、釘が使えず、やむなくこのような接着に頼る施工方法になった。。。

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記憶を再現する機械!ジーンズの皺を人工的に作り出す。

— Creating Artificial Trace, at Service tec Japan,  —


使い古されたジーンズの皺をscanして真っ新なジーンズに映し込むという不思議な機械を見た。皺は、記憶だ。つまり、これは、誰か知らない他人の経験や記憶をあっという間に写し取ってしまう機械ということ。デニム生地は、表面を薄く摺ると中白の部分が現れるため、表面をレーザーで焼けば簡単に色落ちさせられる。そこで、ジーンズを穿き込んだ時にできる「ヒゲ」や、擦れてできるアタリ(色落ち)を人工的に作り、USED感をだすこの手法が発明されたらしい。

なぜ使い古されたジーンズの方がかっこいいと感じるのか良くはわからないけど、この「皺を愛する心」は、どこか「侘び寂び」に通じるような気がした。この不思議な機械、建築の素材作りやアート作品に使えそう!!いろいろその使い道を想像しているうちにワクワク楽しくなって、何枚も写真を撮影、ビデオまで撮ってしまったので、ここで公開しまーす!
一昨年、私が内装設計をお手伝いした株式会社サービステックジャパン 横浜オフィスの2周年記念パーティーでのデモの様子。

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公園の風に揺れるサウンド・インスタレーション

— Sound Installation in Inokashira park. —


公園に一歩足を踏み入れると、風の音に混じって方々から不思議な音が聞こえてくる。耳をすますとそれは木の間につり下げられた竹のオブジェから聞こえてくる。ガムランの音色のようで、聞いているだけで安らぎを感じる。作家は、松本秋則さんという方らしい。こういうローテクで気負っていない作品は、見ているだけで幸せになる。
10月28日までの展示ということなので、先週につづけて今週もまた、公園の木陰で空を見上げながら作品を楽しんできました。

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