幸せを感じる瞬間-つめきり編。
— Nail clipping made me happy in Sunday afternoon. —
暖かい日差しが降り注ぐ日曜の昼下がり。ベランダの掃き出し窓の前に新聞紙を広げる。新聞記事を読むのではない。日当たりの良い午後の光を浴びながら、つめを切るのだ。チョン、チョン?or ピン、ピン、ピン?どんな擬態語を使ったらいいのかよくわからないけれど、つめきりが潔くつめを切り離す独特の音色を楽しみながら、左手の親指から順に切っていく。静かな午後の空気に響くそのスロウなリズムをきいていると、なぜかとても平和でゆったりした気持ちになる。あっと言う間に過ぎたこの2週間あまりのことを愛おしく思い出しながら、こんな時でないと丁寧に扱ってもらえない足の小指や薬指をねぎらうように、ゆっくりと丁寧につめをきる。そして全部を切り終わると、心がリフレッシュして幸せになっているのに気づく。削り立ての鉛筆を前に感じる爽やか感とよく似た気持ちかなあ。切ったばかりの私のつめの断面が新鮮な空気に触れて、体の中に太陽の暖かさが入ってくるのを感じる。