雪の反射で光が変わり空間が変わる。
— Snow changes the light, thus the Space is changed. —
雪が降ると町の風景が変わるだけでなく家の中の風景も変わる。たとえば私の家では、隣家の2階建の屋根がうまい具合に光の反射面となって、3階の窓に下方向からの光が入ってくる。だから、天井面がいつもよりずっと明るくなる。(あいにく私の写真技術ではなかなかそれが写らないが…。)そして、その天井に反射した間接光が部屋全体を優しく照らし、いつもは影になっている部屋の隅が息づき始め、空間の大きさまで違って感じられる。
また、直接光ではなく間接光で照らされると、家具や置物、衣類や食器など、いつも見慣れたものが新鮮に見える。室内に明らかな影がなくなり、すべてものが写真スタジオのような均質な光の中おかれ、ちょうどプロダクトの広告写真の撮影をする時のように、物そのものが純粋な美しさを取り戻すからだろうか。
さらに、よくよく観察すると、光の色そのものが違うことにも気がついた。雪で反射し拡散された太陽光は、雪の潔い白さを携えて若々しくなり、部屋の中にある物の色をビビッドによみがえらせる。
雪がちょっと降っただけで光が変わり、光が変わるといつも見慣れた空間が違ってみえる。そして、知らず知らずのうちに自分の気分まで新しく生まれ変わったように感じられる。
雪のアート効果を発見させてくれた、今年初めての東京の雪に感謝!