機能とデザインの交差点。狂った時計について。
「なんだ、この時計、1時間進んでいるじゃない!?」いやに時間が早く過ぎるなーと思いながら、ばたばた支度をし、ふと携帯をみるまだ朝の9時だ。机の上の時計はもう10時を過ぎているというのに。「あ、それね。おしゃれだと思って飾ってあるだけだから。」え?狂った時間の時計を置いておいたら紛らわしいじゃない、と私が怒ると、「だってその時計どうせ見にくいから見やしないし」と母。それなら、こんなところにおいておかなければいいのに再び言うと「だっておしゃれだから」と困ったように言いながら、「あ、それ、きっと電池がないから時間が狂ったんだよ。電池を買いに行こう。」と素涼しい顔をして話題を変える。ーーーこの一連の母との会話。まるで昔見た不条理劇の一場面の様で、苦笑いしてしまった。
ーーーしかし、時計がこんなにも機能とデザインの交差点に位置するプロダクトだという事を改めて再確認した。建築における機能とデザインの関係より、もっとシビアな関係なんだなーと、再認識することができた有意義な朝になった。
しかし、建築家たるもの、時計が狂った時間を刻み始めても、お払い箱にしない優しさと知性を持ち合わせるべきだろう、と深く反省した!?。