TSUMUGU
Fujiyoshida, Yamanashi, Japan, 2021
2021.12.10 - 2022.1.9
Fuji Textile week 2021
installation by Yumi Kori
Sound by Bernhard Gal
Material:light, sound, old door, balloon, organdy
太古から未来へつづく織物の記憶を光と音で紡ぎ出すインスタレーションです。町並みの裏にひっそりと建つ3階建ての古い蔵は、幻想的な青い光に満たされ、機織部屋の気配、蚕が桑を食む音に包まれて眠る繭、緯糸のように等しく時を刻む光の糸と、階を上がるごとに観客は異なる織物の時間層へと誘われます。
蔵の1階。元々この蔵にしまってあった古いガラス戸を立て、機織り小屋の気配に思いを馳せる。窓の隙間から差し込む光、ゆっくり点滅する青い光、遠くから響く機織りのサウンドが機織りの思い出の時間と空間を紡ぎ出す。
2階。蚕が闇の中で吐く白く光る糸、蚕小屋の闇の中で息づく繭のイメージ、そこに蚕が桑の葉を食べる音が響く。
3階。闇の中に浮かぶ5本の光る糸は、機織りの横糸のように空に浮かび、時を刻む。永遠を思わせるサウンドが太古からずっとつながる縦糸を、機織りのリズムとともに時を刻むよこ糸に想いを馳せる。
人は、暗闇の中ではいつも使っていない感覚が敏感になり、世界の見え方や聞こえ方、空間や時間の感じ方が変わる。このインスタレーションを体験することで、しばし遠い時間に想いを馳せ、思い出の時間層を旅してほしい。