メビウスの扉
「玄関扉」を開けて外階段を上ると、開放的な2階の居間へ至る。靴脱ぎ場になっている小さな土間があり、そこから、居間、ダイニング、キッチン、妻の書斎、その先の風景まで見通せ、ロフトや階下へのつながりも感じられる。仕事場も兼ねるこの住まいでは、子供部屋、妻の書斎、夫の仕事場、小さいながらも家族のそれぞれの居場所は独立し、同時に互いの気配を感じられる。そして、家の中は、突き当たりなく回遊できるプラン。「玄関扉」、外階段、2階、1階、そして一番奥の寝室に来ると、再び表の「玄関扉」が見える。たった間口2間の狭小地に、回遊動線を設けることで、住まいに無限の広がりを作り出した。
東京都武蔵野市
木造 2階
写真/栗原宏光(C)、傍島利浩 (C)