スタジオ宙

テラスかんなん

天神祭の陸渡御と船渡御の出会うこの場所で、二つの世界を結ぶ門をデザインコンセプトに、敷地の高低差を生かして流れを作り出し「まちと水辺をつなぐ建築」としてこの地域集会所を設計した。2階に位置する道路側の玄関扉を開けると、視線は大川から中之島、対岸へ眺望が広がり、バルコニーから屋上へ上がると見晴らしの良いテラスが広がり、窓際の階段で土間に降りると公園につながる。1階の活動室は全て引戸にして、開閉することで使い方に自由度を持たせ、土間や公園とつなげて使うことも考慮した。公園側はガラスの大開口として公園とのつながりを重視した。天神橋の上から見ると土間階段や屋上への外部階段が見え、この建物が陸と水辺をつなぐ装置だということが一目でわかる。シンプルな空間に視線や動線を重ね、町と水辺、人と地域が積極的に繋がっていくことを期待した。

大阪府 菅南地域集会所
S造 2階建
写真 / 下村康典(C)、スタジオ宙