大阪工業大学での郡裕美の最終講義「混じり合う領域」、無事終わりました。
学生、OBのほか、多くの友人の方々にきていただき、とてもスペシャルな時間を過ごせました。
郡研究室の代表の田中直輝くんから、花束をいただき感激。
他にも、荒川+ギンズ東京事務所の本間さん、アーティストのRongrong &Inri さんからも素敵な花束をいただき感激しました。
おいでいただいた皆様、本当にありがとうございました。
研究室の学生、OB、空間デザイン学科の皆様のおかげで思い出深い会になりました。大学は卒業しますが、これからも建築設計、アート活動、頑張ります。どうぞよろしくお願いします!
投稿者:Yumi Kori |
講演会 Lectures |
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設営風景のプロセス動画
大阪工業大学空間デザイン学科教授を退任するにあたり、梅田キャンパスの1階ギャラリーにて展覧会開催しました。
設営は現役生とOBの全員が、現場で手を頭を動かし、試行錯誤を繰り返して空間をつくり上げました。
会場では、郡が2016年の着任以降に行ったアート/建築プロジェクトと、研究室学生やOBの作品がランダムに配され、それらが絡み合う糸で結ばれています。糸は境界線にもみえ、各ブロジェクトを繋ぐWEBのようにもみえます。各作品を観るだけでなく、境界線を越える感覚、境界線下に留まる感覚が感じられ、またそれらが絡み合ってできる空間も楽しめるインスタレーションです。大学と町、アートと建築、学びと日常の境界が混じりあうことを願い、全長約50メートル、高さ10メートルの大阪工業大学梅田キャンパスのギャラリー空間に新しい流れを創出しました。
会場中央には、箕面アートウォーク2023の一環で制作した箕面瀧安寺の庫裡のカマド跡の記憶を想起させる作品 EVOCATION の体験型モックアップを吊るし、自由に中に入って空間体験できる作品も展示しました。
また、緑の大きな紙飛行機が吹き抜け空間に飛び交わせることで、来場者の視線を空と誘います。そして、会場のつきあたりには、Green Airplane 2025 OIT 参加型アートプロジェクトを設置しました。来場者が各々の思いを紙に書いて紙飛行機を折って飛ばす作品です。私たちの思いが世界に届くことを願い、床に置かれた一直線の緑の光が窓ガラスの境界線を超えて町へと伸びていきます。
展示デザインは、研究室 OBと学生が協力し、設営も協力して行いました。展示に際しては、総合資格学院の協賛をいただき、また、ここに展示されている各プロジェクトは、様々な方々の協力や協賛を得ることで可能になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。
展示内容は以下で構成されています。
●着任後、郡裕美 が設計した竣工した建築の模型と写真と記録ビデオ。
研究室の学生またはOBが設計検討や模型制作などに関わったもの
●着任後、郡裕美が制作したアート作品の写真と記録ビデオ。
研究室の学生やOBが制作に関わったインスタレーション。
●研究室の学生及びOBが制作した作品やその記録写真。
中村光汰(大学院2年生)、今岡崇(2022卒)、中村翔太(2021卒)
●2024年度 卒業設計審査会入賞作品。
笹倉悠斗、包吉 智温、那須 悠希、本多翔希 (学部4年生)
●4年生前期課題の地域連携プロジェクト。設計提案発表会ポスターと設計提案書。
2016年より2024年度まで毎年実行。(2021年度はコロナのため中止)
●Green Airplane 2025 @OIT 参加型アートプロジェクト
「混じり合う境界」
郡裕美+大阪工業大学郡研究室+LSDL
2025年2月18日(火)〜22 日(土)
@大阪工業大学 梅田キャパス1階 ギャラリー
会場デザインは、中村翔太+奥村収一/ LSDL, 大阪工業大学郡研究室OBが中心になって進めました。
会場内に飛び交う紙飛行機
Green Airplane 2025 OIT 参加型アートプロジェクト
EVOCATION の体験型モックアップ
4年生前期課題の地域連携プロジェクト。設計提案発表会ポスターと設計提案書
2024年度 卒業設計審査会入賞作品
そして、2月20日には、建築家の吉井歳晴さん(Wiz Architects)と、
2月22日には、現代アートの研究者の池上裕子さん(大阪大学教授)とクロストークを行いました。
吉井歳晴さんとのインスタレーションを巡りながらのトーク
池上裕子さんとのトーク
投稿者:Yumi Kori |
展覧会情報 Exhibition Info, 美術の仕事 Art, Stage Design, 講演会 Lectures |
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3月16日(日)、大阪ガス実験集合住宅NEXT21にて、荒川+ギンズ関連のイベントが開催されます。
大阪工業大学梅田キャンパス、大阪ガスNEXT21、千里中央公園、関西大学吹田みらいキャンパスと展示してきた蜃気楼階段」が、現在大阪ガスNEXT21に戻ってきています。
今回は関西大学の石津智大さん、京都芸大の服部滋樹さんとのトーク・ディスカッションと、
関西大学の小室弘毅との蜃気楼階段ワークショップです。
ご興味がおありの方はぜひご参加ください。
「さりげない違和感と戯れる」 蜃気楼階段 体験会
「暮らす・人間する」大阪ガスNEXT21と荒川+ギンズ「建築する身体」思想
未来の暮らし、100年続く暮らしを考えるための実験集合住宅NEXT21が、これまで30年の歩みを積み重ねてきて得られたものと、現代美術家荒川修作と詩人マドリン・ギンズの建築作品、彼らの思想とが交差する点を、日常生活の中にさりげなく違和感を潜ませる建築装置《蜃気楼階段》を通じて、考え、体験するイベントです。
日時:2025年3月16日(日)13時30分〜16時30分(受付13時〜)
会場:大阪ガス実験集合住宅NEXT21(〒543-0011 大阪府大阪市天王寺区清水谷町6−16)
参加定員:45名(参加無料、事前予約制)
プログラム
13時30分〜15時 トーク&ディスカッション
パネリスト:
郡 裕美(建築家・大阪工業大学教授)
石津 智大(関西大学文学部教授)
服部 滋樹(京都芸術大学教授)
司会: 三村 尚彦(関西大学文学部教授)
15時10分〜16時30分 《蜃気楼階段》体験会、ワークショップ+NEXT21 の住宅見学
講師:
郡 裕美(建築家・大阪工業大学教授)
小室 弘毅(関西大学人間健康学部教授)
お申込み方法(事前予約制・先着順):
申し込みフォームよりご予約いただいた上で、直接会場にお越しください。
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主催:荒川+ギンズモックアップ研究会(空間と身体感覚の相互作用にもとづく空間デザインの研究)2023年度関西大学研究拠点形成支援経費採択課題
協力:大阪ガス株式会社、大阪工業大学、関西大学、荒川修作+マドリン・ギンズ東京
事務所、科学研究費補助金:基盤研究 (B) 荒川修作+マドリン・ギンズ映画資料アー
カイブ構築による映画制作過程と身体論の研究(課題番号:22H00616)
投稿者:Yumi Kori |
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明けましておめでとうございます。
今年も建築設計、空間デザインを通して
社会に貢献できるよう全力で頑張ります。
どうぞよろしくお願いします。
2025年1月1日 郡裕美+遠藤敏也 /スタジオ宙
投稿者:Yumi Kori |
メッセージ Message |
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東京都三鷹市で昨年から携わっていたリノベーションが無事竣工し、
素敵な場所が生まれました。
まだ詳細な使い方は未定ですが、この部屋では読書会やセミナー
ワークショップなども行えるように大テーブルを真ん中に置きました。
サロン空間では、リノベーションらしさを残すため、
部分的にコンクリートをそのまま露出してインテリアの一部にしました。
改装前、浴室だった部分はコンクリートが荒れていました。
そこでOSBパネルを張り、展示用の壁としても気軽に使えるようにしました。
サロンはテラスに直接出られる開放的な空間です。
本棚のあるセミナールームには、対面式のキッチンがあるので、
みんなでお茶や食事をしながら楽しく使うこともできます。
どこにいてもテラスとのつながりを感じられる開放的な空間です。
そして、別室に正式に展覧会のできるギャラリーも空間もあります。
ピクチャーレールも、スポットライトも装備していますし、
ここは防音室でもあるので、ミニコンサートもできます!
オープンの準備期間がおわったところで、詳細をまたお知らせします!
投稿者:Yumi Kori |
建物の完成 Project Completion |
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コンクリート造の小さな住宅が竣工しました。
敷地は公園隣接。
緑の風景に呼応する立体アートのような存在になったらいいなあと思い、
空間の流れとシークエンスを検討する中でこの形が生まれました。
折れ曲がった壁の構成と、
山と谷を繰り返す地形のような屋根形状は内部空間と響き合い、
壁の隙間から入る光が天井や壁面に反射し、
空間は時間と共に変化していきます。
コンクリート以外の素材をほぼ使わないミニマルなデザインであることから
「モノクローム」と名前をつけました。
この建物は近所にお住まいの建主のセカンドハウスです。
室内に愛車を乗り入れて、それを眺めながらくつろげること、
テラス部分には追加で2台の車が停められることが設計条件でした。
平面計画は、まず車の軌跡や配置を考え、そこにキッチンや水回りという
生活に必要な機能を入れるということで決定しました。
そして、そこにどうやって空間の奥行きと流れを作るのかを考えたときに、
この起伏に富んだ天井を作ることを思いつきました
建主はコンクリートが大好きということもあり、
コンクリートを打設したプロセスを「景色」として残すことを考えました。
だから、補修はいっさいしていません。
コンクリートを打設した時にできた模様が陶芸作品の「景色」のようです。
また、コンクリート打設時に型枠を支えるためにできた
現場のサポートを支えるための穴を埋めたりせずに記憶として残すことを考えました。
穴の跡に鏡面のステンレスの球をいれることで、
そこに光や景色を写しこむという遊びもしました。
一瞬ランダムに見える配置ですが、
まるで銀河に浮かぶ星座のように見えます。
それらには存在の必然があり、
作ったプロセスの歴史が刻み込まれています。
コンクリートを打設する前のサポートの様子がわかる写真はこちらにあります!
さて、次に室内で車が美しく見えるためには、どうしたらいいかを考えました。
四角い箱に車を閉じ込めるのではなく、
空間内に様々なベクトルを感じられたら、
スピードを伴う動くオブジェだとして
車を鑑賞できるのではないかと思い、
天井の起伏の稜線を様々な角度に振り、
空間の流れを作り出すことを考えました。
ただ、実際、建物ができてみると、
なんだかとても居心地がいいことがわかってきました。
刻々と変わる太陽光、
影の絵画がコンクリートに映り込み、
無機質な壁面と公園の緑の風景の対比もまた美しく感じられます。
公園の風景を眺めながら窓辺に座っていると、
心が自由な旅をはじめます。
車を楽しむだけでなく、ここにピアノを入れたいとか
友人を招いてゆっくりくつろぎたいとか、
建主も使い方を色々考え始められているようです。
もともとは、車を楽しむガレージハウスとして計画したのですが、
(施主が敷地を購入したのも、公園の景色を楽しむということではなく、
道路が真っ直ぐで車が入れやすいということが理由だったようです。)
実はそれがかえって功を成したというか、
そのおかげで、今回、空間に不思議な余白が生まれました。
車のスケールや軌跡を中心にして設計せざるをなかったため、
人間のスケールを中心に設計する住宅建築とは少し違う空間が生まれたようです。
新築でありながら、
これはコンバージョン建築で感じられるような
機能と空間のズレが生み出す自由な開放感といってもいいような気がします。
シャワールームには天窓から光が落ちるデザインとしました。
光の色が時間とともに美しく移ろいます。
キッチンも思い切ってコンクリートで打設しました。
コンクリートに切り目をいれて前に倒し
切り取られた部分が窓になったというような
ユーモアのあるデザインです。
玄関の採光窓もコンクリートを切り欠いた形にし、
様々な角度を感じられる空間構成としました。
お庭は異国情緒あふれるドライガーデン。
施主が選んだ青みががった石を置きました。
引き込み式のガレージドアをあければ、室内とテラスは一体化します。
竣工翌日の秋晴れの日、現地を訪れてみると
外壁には公園の木漏れ日が映り込み、
自然に溶けているように見えました。
外観の傾斜壁も変化に飛んだ内部空間と呼応したかたちです。
公園とのコンクリート塀も角度をつけて傾斜させることにより、
本体とテラスとが呼応して
屋外も建築空間の一部として感じられます。
長い一本道の先にひっそり佇む
緑につつまれた小さなガレージハウス
夜もなかなか素敵です。
天井にはあえて照明器具を設置せず、
壁や天井を照らすアッパーライトのみにしました。
夜景を撮影している時に遠くから眺めると、
間接照明で照らされたガレージハウスの室内は
まるでシアターのように見えました。
主要用途 : 一戸建ての住宅
構造規模 : RC造 地上1階
敷地面積 : 99.24m² ( 30.02坪)
延床面積 : 44.57m² ( 13.48坪)
設計監理 : スタジオ宙/ 郡裕美、遠藤敏也
構造設計:H&A構造研究所/平川 啓一
施工 : 篠崎工務店/篠崎省三
造園 : 株式会社岩城/ 荒川 淳良
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今回、屋根の形や壁の角度を決めるデザイン検討のために、
なんども模型をつくって形のスタディを行いました。
これらは試作のモックアップ模型たち(縮尺1/100)です。
検討の結果、やっと決まった外観のかたち、
公園より建物を見た完成予想模型(縮尺1/50)です。
上空より建物を見る完成予想模型はこちら。
山と谷を繰り返す、起伏に飛んだ室内の様子がわかっていただけると思います。
投稿者:Yumi Kori |
建物の完成 Project Completion |
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様々な設計案を検証し、打ち合わせを重ねながら、やっとこの折れ曲がり案にたどりつきました。
地形に寄り添いながら、自然の風景を満喫するかたちです。
上から見ると鳥の翼のようにみえます。
完成予想模型、背景に森の映像を投影したら、緑に包まれた空間が現れました。
投稿者:Yumi Kori |
設計のプロセス Design Process |
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