Defragmentation/blue
 
期間:1999.9.4 〜9.25
場所:ニューヨーク スタジオ5ビークマン
写真/Susanne Wimmer
この作品は、父が死に至るまで、ともに病院で過ごした最後の一ヶ月間の体験がもとになっている。病院では、蛍光灯の光の中、全てのものが白く平たく映し出され、食事、検温、血圧等の検査が、時を刻むように繰り返される。そこに夜昼なく長期滞在するうちに、私自身の存在の平衡も失われて行った。そして、父の死が訪れた深夜、世界は完全な静けさに包まれ、その時、時間はその流れを止めたかのように思われた。その瞬間、もしかしたら、もともと時間は流れていなかったのではなかったかという不思議な感覚におそわれた。
Defragmentationで体験する空間は、通常私たちが認識する時間や空間とは少し違っている。たとえば、飛行機はすごいスピードで飛んでいるのに、中にいる人は、時間の流れから取り残されてどこの場所からも時間からも切り離されて、宙吊りなってしまったように感じたりする。あるいは、砂漠の中で、いくら歩いてもどこにもたどり着けず、時間の流れが止まってしまったかのように思える。こんな時空間である。これは一種のヴォイド空間で、その中では、永遠の時間と空間をみることもできれば、時間が止まって空間が全く存在しなくなってしまったようにも感じられる。鑑賞者は、作品の中に入り、好きなだけ時間を過ごし、様々な時間と空間を体験する。